redcircle’s blog

アニメ等の感想を書きます

【けもフレ】たつき監督ありがとう。最終回を終えて。

オタクはアニメを見て泣くんだよ!!

けもフレ終わらないでくれよぉ…グスン

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オリジナルシナリオの新規コンテンツは面白ければ爆発的な人気になることがあります。けものフレンズ(以下けもフレ)もその一つだったのではないでしょうか。12話まで見終わったので感想とレビューをしていこうと思います。ネタバレを含みます。

作品の説明

かばんちゃんという人間のような子がサーバルちゃんという動物がヒト化した子(フレンズ)と共にサファリパークのような世界を旅し、個性的なフレンズと出会い、笑い、成長していく物語です。ロードムービー、SF、サファリパーク等様々な視点で楽しむ事ができる作品でした。以上。見ていない人はけものフレンズを見てね!

総評

1クールできっちりと終わる完成度が素晴らしいんですが、かばんちゃんの旅をもっと見たい気持ちもあります。終わって欲しいのか欲しくないのかわからないような気分にさせられました。「難民」が生まれるような日常アニメ的な優しい世界でした。それでいて「セルリアン」という敵が存在し、適度な緊張感が全編を通してありました。優しい世界でありながら、外敵の存在がありどことなく不安になります。これはストライクウィッチーズのような「敵を未知の存在に設定する」という手法です。敵キャラという明確な悪意を持った対立軸を設定するとどうしてもアニメはギスギスしたものとなってしまいますが、敵を未知の存在で知能の有無もあやふやなままにしておけば、キャラクターの和気藹々とした関係性を崩さずにそれに向かって一致団結することができます。けものフレンズの最終話が完全にこれでしたね。

構成

非常に完成度が高く、各話の繋がりや成長の構成が優れていました。これは特に原作付きのTVアニメに言えることですが、多くのアニメは諸要素が決められた尺に収まりきらず完結していないストーリーである場合が多いです。一方で本作は完全オリジナルかつ1クールアニメ用に作られたシナリオであり、まずその点で映像としてのストーリーを評価することができます。監督は映像作家としてやるべきことをやった、という感じでしょうか。

演出・音楽・作画

低予算CGアニメとしては特筆すべきものではなかったように思います。しかしながら「手作り感」とCGとしてのシュールさから、視聴者はハードルを下げて見ることができたのではないでしょうか。このハードルの低さはアニメにとって重要であり、「構えて見る」オタクを排除できる効果があります。これによって毒気の抜かれたオタクはハードSF的な要素とのギャップに引きこまれていくのだと思います。劇中音楽についても同様で、普段聞かないようなアフリカンテイストで上手く日常と非日常が混在するサファリパークを演出できていました。

OPEDもキャッチーかつ本編の内容とリンクしたものであったので評価が高いです。「けものはいてものけものはいない」という歌詞にこそけもフレの真髄が詰まっています。この全てを受容してくれる優しさに癒やされました。劇中でのサーバルちゃんの「すごーい」という主人公全肯定と相まってインターネット上に広まったように思います。

キャラクター

動物をモチーフにした擬人化なので、名前が覚えやすく、個性もはっきりとわかりました。ライオン=強い のようなイメージをそのまま作り手と視聴者で共有できます。またそれをしっかりとキャラクターデザインに反映できたのではないかと思います。このキャラのここが動物とそっくり!という指摘で盛り上がれたのではないでしょうか。擬人化アニメはここが強みですね。

かばんちゃんすごい=俺すごい

昨今のテレビ番組では「日本すごい」系ジャンルが増加しているように感じます。具体的な番組名は出しませんが、みなさん一度は目にしたことがあると思います。その番組の中では外国人が来日して街を見て回ったり日本の製品を使ったりして「驚いたよ!やっぱり日本はすごい!」とコメントします。これを揶揄したものが以下の三段論法です。

日本製すごい=日本人すごい

日本人=俺

日本人すごい=俺すごい

これはけもフレを見ている視聴者にも当てはまるものだと考えられます。

かばんちゃんすごい=人類すごい

人類=俺

かばんちゃんすごい=俺すごい

というわけですね(笑)

けもフレニコニコ動画公式配信ではOPが流れた際に「起立」「国歌斉唱」「着席」というコメントが通例となっています。それにジャパリパークという名前も「ジャパン」に通じるものがありますね。やはりけものフレンズは国家に帰属を求める「ネトウヨ」的な視聴者を引きつける要素があると考えられます。(これは管理人の政治的な意見表明ではありません。けものフレンズ視聴者の全てがナショナリスト的な思想を持っているという意味ではありません。あくまで類似性の指摘とお考えください)

かばんちゃんのすごさ

1~7話までの”かばんちゃんすごい”は以下の記事で”人類文化史を追うスタイル”と指摘されているように(何かのまとめのような記事からの引用で申し訳ないですが)、人類の技術や文化をモチーフにしています。

1話:投擲、地図
2話:道具の使用、船、橋
3話:絵文字、音楽、店の概念
4話:通貨、ピクトグラム
5話:土木、建築
6話:集団行動、武器、戦争、スポーツ
7話:文字、調理、火の利用

すごーい! 「けものフレンズ」は全肯定してくれる人類史SF。絶滅危惧種のヒトが火を使う - エキレビ!(2/3)

そしてこのモチーフはかばんちゃんの発案で作品世界に顕現します。その度に、旅のお供であるサーバルちゃんが「わーい」「すごーい」「かばんちゃんはすごいんだよ」と褒めてくれるのです。これはやはり俺すごい系の話ですね。かばんちゃんの肯定は自分自身の肯定なのです。けものフレンズが流行した背景にはこのような自己肯定の欲求が根底にあるのだと考えられます。

フレンズへの文化の輸入

9話ではかばんちゃんがサーバルちゃんやキツネのフレンズと温泉に入るシーンがあり、かばんちゃんはお風呂に入るときに「服を脱がないと」と指摘します。それまでフレンズ達は服を脱ぐという概念がないまま生活していたようです。このあとすぐにフレンズ達がにわかに服を脱ぎ始め、かばんちゃんが羞恥するという流れでした。

このシーンがニコ生一挙放送で流れた際に、公式のコメントとして「フレンズは服を服と認識すると脱ぐことができる」という設定が明かされました。これはスイスの言語学ソシュールの「言語が現実世界を切り分けている」という指摘に近いと考えられます。もちろん服を着るのは人間ですし、服は文化です。虹が文化によって三色に切り分けられる場合があるように、かばんちゃんは言葉を話せるフレンズに服という文化を持ち込み、フレンズの肉体と服を切り分けたというわけです。けものフレンズはこのように人間がいかに人間らしいかを浮き彫りにしています。

8話のアイドル回ですが、やっぱりけもフレとしては浮いてるなぁ~って思って前に書いたので、この記事では書きません。詳細は以下。

redcircle.hatenablog.com

伝播力

2017年の2月、急にけものフレンズがインターネット上でバズりました(爆発的に広まりました)。「けものはいてものけものはいない」「わーい」「すごーい」「君は○○が得意なフレンズなんだね」「フレンズによって得意なことは違うから」といったキャッチーかつ使いやすいセリフがそれを後押ししたと考えられますが、それはしばらくして沈静化し、代わりに「考察班」や考察のしやすさが伝播力を維持したのではないかと考えています。

けものフレンズ考察班

考察班というのは作品を考察して楽しむファンのことです。考察が流行るアニメとしてはやはりオリジナルストーリーで面白いものでなければならないと思います。けものフレンズはこの条件を備えていたのは確かですが、過去に考察が流行った『まどか☆マギカ』と比較して、「おもしろいから考察が流行った」のではなく「考察がおもしろいから流行った」という印象が強いです。

オタクは考察する生き物

いろいろなオタクがいると思いますが、アニメを見てて発見したことを誰かに教えたいってタイプのオタクがいると思います(こんな記事を書いているので察してね)

まあ、要するにけものフレンズはそんなオタクの需要に見事に応えてくれたという感じでしょうか。萌えアニメテイストで油断させておきながらSFをやったので様々なオタクがその術中に嵌まったと考えられますが、考察の需要を喚起した好例になりそうですね。

楽しみ方考察

私見を述べると、けもフレは考察までがワンセットで、自分で考察した後インターネットでみんなの発見を見て「すごーい!!」ってなれば120%楽しめると思います。東方Projectが自分で同人に参加して最大限楽しめるような感じです。

7話時点での最終回予想との比較

 

拙文ですが、7話視聴時点での考察が当たっているかどうか見ていきたいです。

パターンB 王道バトルEND

ジャパリパークの出口に辿り着く。そこには大量のセルリアンが!!

みんなの力を分けてくれ!!フレンズの力を合わせてセルリアンを倒してEND

パターンC 遊園地END

サーバルちゃんが崖を登っていたシーンで遠景に観覧車がぼんやりと写っていました!!

みんなで遊園地に行って、たーのしー!これを作ったヒトってすごいね!で終わり!!

パターンF お別れEND

宇宙への脱出ポッドを発見します。

それには1人しか乗れません。

サーバルちゃんと涙の別れは辛いですがかばんちゃんはヒトとしての探究心に従って乗り込みます。

ロマンですね。

 

あまり突飛な展開や鬱アニメの雰囲気は感じないので、わりとみんなが納得できる無難な終わりをすると僕は予想していますね。

この辺はだいたい合ってますね!!!!合ってますよね!!!!(^_^;)

というわけで自分で書いたこの記事を引用したのは決してドヤりたかったわけではなく、けものフレンズがいかに王道で、視聴者の望む展開ができていたかと伝えたかったからです。遊園地の伏線もきちんと回収されるって僕は信じてました。

 

まあこれ以上書いても冗長な感じにしかならないので一旦終わります。また追記するかも?

 

 

追記(2017/04/11)

 アプリ終了の喪失感最高ですね。